私は、この山アジサイの色づく時が大好きだ。
アジサイと言えば一般的には、改良種の花しか見られないと思います。
ですから今は、派手になりすぎてきていると思います。
でもこの山アジサイの、くれない色の魅力はわかっていただきたいですね。
半日影で、咲き始めは、白くて小さい花びらが四枚、ポツリポツリあるだけでとても神秘的です。
実際は花びらでなく、額である。
ところが、だんだん薄く紅がついてくる。
今日はどのくらい、明日はどのくらいと、毎日見るのが楽しみだ。
一週間位たつと花びら、いやその木全体がピンク色なる。
それがまたとても品のいいピンクだ。
まさに女性が一番光り、その周りを男が囲む成人式場のようだ。
この時ばかりは、女房の成人式を思い出します。
わたしの若い頃は、青年会と言う組織が、全国にありまして、若者はみなその会に、入っておりました。
余暇を利用して、スポーツや文化活動などとても楽しかったです。
そんな中で、思いを寄せる彼女の成人式ですから、皆で祝ったり踊ったりでしたね。
日がたつにつれピンクが紅に変わってくる。
真赤赤だ、
ここまでは、きれいだね。
しかしあまり好きではない。
赤がだんだん濃くなってきて黒みを帯びてくる。
そして、そのまんま、長く咲いている。
最後は色がなくなって、燐粉が落ちた、蝶の羽根のようだ。
いくら日がたってもその花びらは落ちない。額だから。
秋になっても冬になっても落ちない。
なんとも言えない。これでいいのか、悪いのか。
やがて次の春が来る、
あの花びらはどうなっているのでしょう。
(自費出版本「ポレポレの丘奮闘記」より抜粋)
(ポレポレの丘六月開花)